Twitterでくさや作り見学があることを知り、電話をしてくさや作りを見に行ってきました、ちーぼーです。前日に電話で見に行きたいことを伝えると「11.12月はお歳暮作りで忙しいから見学はやってないんです。ちょっと待っててね・・・あ、明日の12時からだったら大丈夫ですよ」と言っていただき、お忙しい中見学をさせていただきました。
くさやとは
くさやとはムロアジ類を開きにして、腸わたなどを入れた塩分の強いくさや汁という汁につけてから干した干物です。もともとは塩水につけていただけだったのですが、塩水を使いまわして作っていたところ、魚の成分が溶け出しさらに微生物などが作用することで現在のくさや液になりました。
一般的な干物よりも、くさや液につけた干物の方が腐りづらくおいしく食べることができるのです。そして栄養も豊富で良質なたんぱく質・カルシウム・アミノ酸、発酵菌の効果もありビタミンB群も豊富なため、疲労回復が期待できます。
くさやは長い歴史をもつ食品で、江戸時代には献上品とされていた記録が残っています。焼くと独特のにおいがあり、くさやのにおいを数値化すると1267Auと、世界で5番目にくさいと言われている食べ物です。ちなみに納豆は452Auほどなので3倍近くの独特な臭いがします。
長田商店
【住所】東京都八丈島八丈町三根789
【アクセス】空港から車で約4分、底土港から車で5分
【営業時間】8:00~17:00
【定休日】不定休
【電話番号】04996-2-1037
お店につくとパワフルな店主さんが迎え入れてくれました。朝から会議や打ち合わせがあり、見学会の後は八丈高校に仕事で行かないといけないそうで、その合間に見学をさせていただきました。
1時間ほどくさやや、店主の長田さんの人生などなどを聞かせていただきました。とにかく元気で何事にも一生懸命な長田さんは、八丈島のくさやをもっとみんなに知ってもらいたくて「くさや見学」をするようになったそうです。見学会がはじまる前、くさやを少し食べさせていただきました。見学会は無料にも関わらず、こうやって活動されていることに頭が上がりません。
今日の日記 | 八丈島のくさや屋さん 長田商店 (kusayaya.com)
毎日ブログも書いていらっしゃるそうなので、是非見てみて下さい。
作り方
港からわずか38秒の長田商店では、採れてすぐの魚をくさやにしていきます。
まず最初にエラと内臓を手作業で取り除いていき、水洗いをします。主にムロアジとトビウオが主流なのですが、ムロアジはお腹が弱りすぐに鮮度が落ちてしまうため腹開きにし、トビウオは背開きにします。
トビウオは新鮮であればお腹の部分が白いらしく、長田商店では新鮮なトビウオのお腹は真っ白です。しかし都内ではなかなかお腹の白い新鮮なトビウオは見られないそうです。
捌かれた魚はくさや液につけられます。魚は大きさごとにくさや液の塩分濃度が変えてつけられるのです。
こちらが長田商店さんが長年継ぎ足しで使われているくさや液です。くさや液には水は一切入っておらず、この水分は新鮮な魚を漬けたときにでてきた水分で、くさや液は減らずに保ち続けているそうです。くさや菌がたくさん入っているので発酵し、上の方はプツプツと音をたて泡がはじけています。
そしてかき混ぜると下からは赤茶色の液が顔をだします。かき混ぜる前からくさやの独特のにおいがするのですが、かき混ぜるとくさやのにおいがウンと立ち込めてきます。
「液を舐めてみますか?」と言われたので、くさや液を舐める機会なんてそうそうないので恐る恐る舐めさせていただきました。トロトロとしたくさや液は、しょっぱいながらもまろやかなくさやの大ボスのような味がしました。くさやは何に味が似ているのか考えたのですが、なんていうんでしょう。魚の血合いの発酵した味というか、もうなんかくさやはくさやです。八丈島で最初食べたときに衝撃を受けました。
ちなみに左手の人差し指にくさや液をつけて舐めたのですが、せっけんで手を洗ってもにおいが1日中とれませんでした。くさや作りをしている長田さんはいつも髪の毛を2回シャンプーするほど、においが1度つくとなかなかとれないそうです。
こっちの液は、昔くさや屋さんをやっていたところがくさや作りをやめてしまったため、くさや液を引引き取ったそうです。くさや液はお店ごとに作り方が違い全然味が違います。
半日くさや液につけた魚は、水につけて塩抜きをします。この塩抜きの工程は八丈島ならではのくさや作りで、他の島ではこの塩抜きの工程はしません。
塩抜きされた魚は並べられ、この乾燥室で1日近く乾燥させます。ちなみにこの乾燥室は500万もするそうです。先日他のくさや屋さんの乾燥室が壊れてしまい、後継ぎを探すのも難しいくさや業界では、500万かけてなおしてもこの先くさや屋さんを続けられるか分からなかったため、お店を閉めることになってしまったそうなのです。
乾燥が終わると、水揚げから3日目に身がふっくらとしたくさやが完成し真空パックにされます。
さいごに
私は最初八丈島に来てくさやを食べたときは「わぁ~これ苦手かも」と思っていました。しかし食べるにつれくさやのおいしさに気づき、今ではお家でも食べるようになりました。マヨネーズをつけて食べると食べやすくなり、私のおすすめは白いご飯と食べるよりお酒と一緒に食べるとサイコーにおいしいです。
今回は急遽お忙しい中、時間を作っていただき見学させてもらいました。くさやのことがもっと深く知ることができ、長田さんはとてもかっこいい人間ということも分かりました。昔は、今私が住んでいる部落の部落長もされていたそうで、そのパワフルで行動力のある姿を見て自分もパワーをもらいました。
見学会の帰りにとてもおいしそうだったトビウオのくさやを購入して実家に送ろうと思ったのですが、この時期は作ってないそうで次は来春になれば購入できるそうです。春になったら買おうと思っています。
くさやを買う | 八丈島のくさや屋さん 長田商店 (kusayaya.com)
ネットからも長田商店のくさやが購入できるので、もしよかったらこの新鮮な長田商店さんのくさやを買ってみてはいかがでしょうか。
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